植物の茎が伸び、 ところどころに葉をつけるように、 綿の産地から糸が人の手を渡って、 行き着き、花開く。 彩られる場所が、有松。
雲のような綿から引き出される糸。 細く、はかない一本同士を縦・横と交差させると、 しっかりとした「面」となります。 折り、縫い、巻き、挟む。 形に変化を与えられ、さらに色が加わると、 綿面は無限とも言える表情を見せてくれます。
こっとん・ろーどは、この道のり。 誰かが紡ぎ、誰かが織り、誰かが絞る、 糸が人の縁を結んでいく物語の軌跡です。
有松に焦点を当てることで見えてきたのは、 「無限とも言える表情」も種子となって、 縁が再びはじまり、時を刻み続けていることでした。
綿
「綿」の花
それは、
出会いの「糸」口。
岡田、阿久比、そして有松。曲線を描く愛知県知多半島の一本道、こっとん・ろーどは、綿が人の手を辿り、残していった足跡でもあります。
紡
人の手で「紡」がれる。
それは、
物を動かす「糸」。
はじめは岡田。綿花の実綿を手でていねいに撚ると、糸が少しずつ紡がれていきます。揺らめく律動をし出した瞬間です。
織
縦と横に「織」る。
それは、
交わりの「糸」。
つぎは阿久比。小気味よく綿糸が織られていきます。同じようでわずかに異なる一本一本が交わることで、個性豊かな布地となります。
絞
布地を「絞」る。
それは、
彩りの「糸」。
そして有松へ。綿でできた布地を絞り、色を加えます。紐解くと、現れるのは鮮やかな彩り。開花を見るような体験です。
縁
「縁」を紡ぎ、織る。
それは、
繋がりの「糸」。
花開いたあとに生まれた種を育む場所が有松にはあります。綿の物語を伝え、人の縁を結ぶゲストハウス、MADO。こっとん・ろーどはそこから枝分かれし、さらに時としあわせを刻み続けるのです。